SAFeのリーン-アジャイルの原則

「うちの問題はよそとは違う」と感じてしまうのは、世界中で経営者を悩ませている、よくある病気である。もちろん違ってはいるのだが、プロダクトやサービスの品質を向上させるための原則は、普遍的な性質を持つ。─W・エドワーズ・デミング

SAFeの原則

SAFeは、いくつかの不変の、リーンかつアジャイルな原則を基礎として作成されている。これらは、基礎となる教義であり、基本的真理かつ経済的土台であり、そこから導かれる役割やプラクティスによってSAFeは効果を発揮する。その9つの原則を以下に挙げる。

 

なぜ原則を重視するのか

エンタープライズレベルのソフトウェアやサイバーフィジカルシステムの構築は、業界が現在直面しているもっとも複雑な課題の1つである。何百万行ものソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの複雑な相互作用、同時に対処しなければならない複数のプラットフォーム、厳しい非機能要求。これらはシステム構築者が立ち向かわなければならない課題のごく一部である。

もちろん、これらのシステムを構築する企業もどんどん複雑化している。これまでになく大規模になり、分散化している。成功するために必要な、合併と買収、複数の国(や言語)に分散した開発、オフショア開発、急速な成長などはどれも、ソリューションの一部であると同時に、問題の一部でもある。

幸いなことに、こうした課題に対処するためのすばらしい知識体系が存在し、成長しつつある。アジャイルの原則と手法、リーンとシステム思考、プロダクト開発フロー、リーンプロセスとプロダクト開発などがその例である。これまで多くの思想的リーダーが先を進み、何百冊もの書籍や文献として足跡を残してくれたため、我々はそれを利用することができる。

SAFeの目的は、この知識体系の一部と数百の配置経験から得られた知識とを1つのフレームワーク、つまり、従業員の愛着、市場投入までの時間、ソリューション品質、およびチームの生産性を大きく改善できることが明らかになった統合・立証済みのプラクティスの体系にまとめることである。ただし、先に述べた業界の複雑な課題を考慮すると、正直なところ、個々の企業に特有の課題にそのまま対処できる出来合いのソリューションは存在しない。これは、いくらか変更やカスタマイズが必要だという意味である。SAFeが推奨するすべてのプラクティスがあらゆる環境に同じように適用できるわけではないからだ。そのため、我々は、完全ではなくても合理的なレベルで不変の、基礎的な原則を土台として、SAFeのプラクティスを作成するよう常に努力している。そうすることで、これらのプラクティスが一般的な状況にうまく当てはまると自信を持つことができる。また、当てはまらない場合でも、基礎となる原則をもとに実装を行うと、「持続可能な最短のリードタイムと、人や社会にとっての最善の品質と価値」へと着実に向かっていくことができる。その中にも価値が存在する。


最終更新日:2015年8月10日